トレーサビリティ、トレサビリティQ&A

フェアウッド、トレーサビリティQ&A

ワイス・ワイスは全商品について100%フェアウッド(合法木材)を目指し、
国際環境NGO『FoE Japan』の協力のもと、合法性の確認を定期的に行っています。
フェアウッド、トレーサビリティ、そして国産材について同NGOの中澤健一さんに話を伺いました。

Q.家具に使われる木の産地、知らないとダメですか?

A.違法伐採された木材が使われているかも!

家具などによく使われるナラ、タモの主な生産地は、ロシア極東の沿海地方。
1990年代、ソビエト体制の崩壊にともない、山村の生活が悪化して違法伐採が増加し、天然林保護政策を打ち出した中国へ輸出されるようになりました。
そして中国で丸太や板材、集成材といった加工品や家具などの製品となり、日本へも運ばれています。
木材や家具の産地が分かりづらい今、手にしているのはこのような違法伐採されたものかもしれません。

Q.“フェアウッド”って初めて聞きました。

A.アンチ違法伐採から、一歩前進した合言葉です。

熱帯林を中心とした森林減少が一向に解決しないなか、2000年に入るころから世界レベルで無秩序な違法伐採に対処しようと、欧米を中心に大消費国としての責任から違法木材を使わないようにする取り組みが盛り上がってきました。そんな意識が広まるなか、日本では排除するよりは応援する方が広まりやすいという考えから、違法伐採ではない、環境や社会的にもフェアな木材を使おうという趣旨で、“フェアウッド”が合言葉になりました。

Q.自然を保護するなら、伐採してはダメなのでは?

A.上手に使ってこそ、森のいのちが循環します。

原生的な姿をとどめているような森林は大変希少になってきたので、保護する必要があります。しかしスギやヒノキなどを植林した場合は、間伐して光を入れて管理をしなければ使える木が育たず、下草も生えない真っ暗な“緑の砂漠”状態になってしまいます。またクヌギやコナラが生える里山は今、経済的に役に立たないとの理由で見捨てられ、竹やササが茂ってヤブ状態になっているところも。上手に活用していかないと、森や山は荒れてしまうのです。

Q家具の樹種や木の産地をどうやって確認するの?

A.複雑な木材の流通過程をひとつずつ追いかけます。

木材の樹種や産地を確認するには、家具工場から、木材問屋、製材所、伐採業者とさかのぼって明らかにする必要があります。とても手間のかかる作業ですが、無秩序に森林が伐採されていないことを消費者に約束するのは、家具を売る者の責任です。木を育ててくれた森や人、木を切り出した人、運んだ人、製材した人、製作した人全てに感謝するためにも必要なこと。森や人々の働きがあってこそ私たちは家具を手にすることができるのです。

Q.フェアウッドって実際はどんな木のこと?

A.森を壊さない木材のことで、私たちの未来をも守ります。

フェアウッドとは、森を壊さない木材の選び方です。修理・再生した木製品、古材・ 廃材を再利用した木製品、最低限違法ではない木材(合法材)、近くの森から生産された木材(国産材)、地域住民が適切に森林管理をしている木材(コミュニティ材、フェアトレード材)、信頼できる第三者機関の認証を受けた木材(森林認証材)などです。これらの材を積極的に活用していくことで、森や私たちの生活が守られるのです。

Q.海外で製品にして輸入する。その方が安くて助かります。

A.遠くから運ぶとCO2が増え、輸入禁止の木材が入ることも。

人件費の違いにより、海外で製品にして輸入する方が、輸送コストをかけても価格が安くなります。しかし、製造時の数倍のエネルギーが輸送過程で消費され、CO2の排出を増やしてしまうことにもなります。さらに家具が輸入される際、税関では使われている木材の樹種までは確認していないため、ワシントン条約に登録されている絶滅危惧種の木材が使用された家具が、国内で流通してしまっているケースもあります。

Q.外材に頼らずに質のいい家具をつくることはできる?

A.日本には、多種多様な樹木があるんです。

国産広葉樹の生産量は年々減少傾向にあるうえ、その9割近くは木材チップ用で、こうした状況で家具用材を確保するのは簡単ではありません。しかし、南北に長い日本列島にはさまざまな広葉樹が分布し、クヌギ、コナラなどの里山林は東北から九州にかけて存在しています。さらに全国の針葉樹も生長を遂げて伐期を迎え、加工の準備ができています。これらの木材を上手に流通させ、日本のすぐれた加工技術を駆使すれば、質の高い家具ができるのです。

Q.国産材を使うことで、森が豊かになるの?

A.そこに住む人にも影響し、過疎化を止められるかも。

国内で育った木材の利用が活発になれば、海外からの輸入が減って熱帯林などの貴重な資源を守ることができ、また日本にもよい影響を与えます。というのは、森を管理する人、木を伐る人、運ぶ人、製材する人、家具をつくる人などに仕事が生まれ、森の環境も経済も循環することができるからです。地元に仕事があれば、そこを出て都市に行く必要もなくなり、地方の過疎化の問題解決にも貢献することができます。

答えてくれた人 中澤 健一さん
国際環境NGO『FoE Japan』森林問題担当、フェアウッド調達アドバイザ
東京都立大学工学研究科修士課程終了後、会社に勤務しながらボランティアでFoEの活動に関わり、2001年より正職員に。
著書に『フェアウッド-森林を破壊しない木材調達-』。