10 ウェリスオリーブ津田沼

ウェリスオリーブ津田沼 家具として愛され続ける木
ここにご紹介するのは、危うく廃棄処分を免れ、秋田や北海道の多くの職人の手で家具に生まれ変わった都会育ちの木たちの物語です。

話は丁度2年前に遡ります。舞台は人口62万人の千葉県船橋市。都市の清掃工場では焼却炉が老朽化すると敷地内に新しい炉を建設し新旧交替させます。式年遷宮のようなこのサイクルが、清掃工場では30年毎に繰り返えされその都度敷地内の雑木林が伐採されては、廃炉の跡地にまた新たに植林をするということが行われています。都市近郊の宅地開発や事業用地から伐り出される木々のほとんどは経済合理性や手間隙をかけられないなどの理由で製紙用パルプにされるか産業廃棄されて焼却処分されます。

2014年2月、ワイス・ワイス代表佐藤のもとに鹿島建設環境本部山田さんから情報が入りました。「船橋市北部清掃工場で大量の林地残材が出ましたが、内装材や家具としてお宅で使いませんか?」これを聞いた佐藤はその場で決断します。「折角大きく育った木々をむざむざ棄ててしまってはあまりにも勿体ない!出来る限り救って家具や暮らしの道具に蘇らせ活かそう!」。NTT都市開発住宅事業部に早速この話を打診してみると、部長の大学さんから同社が船橋市内で建設予定のサービス付き高齢者住宅に採用しましょうとの嬉しいご返事。こうして3社の協働プロジェクトはスタートします。

林地残材を活用する先進的取り組み 最初は用材選びから。伐採場に集められた約1000本の残材の中から家具用材として使えそうな丸太を選び出します。ナラ、クヌギ、ケヤキ、ハンノキ、クスノキなど広葉樹が計115本。元々廃棄する残材ということで購入代金は〆て115円でした。都市の雑木林は、栄養価の少ない土壌で育ち人の手も入っていないため、細く曲がった木が殆どで、表皮にも荒れた箇所が多い。このため製材には手間がかかり、仕事を引き受けてくれる製材所は八方探しても見当りません。最後に佐藤は日頃からワイス・ワイスに東北の広葉樹を供給してくれている秋田県の田鉄産業田口専務に頼み込みます。重機は鹿島建設、運搬用トラックは田鉄産業に手配して貰って丸太は漸く船橋から秋田へ。秋田では一本一本、木を読みながら製材され、桟積みされ一年間天日乾燥。その後、人口乾燥もして北海道旭川の山岡木材工業はじめ家具工場、工房へと運ばれて製作されていきました。癖のある反りや割れ、節や黒ずみなどと格闘しながらの難しい作業の連続ながら職人さんたちの確かな技術はこれまで見たこともない表情豊かな家具へと見事に生まれ変わらせてくれたのです。

心の拠りどころになる豊かな木肌 都市部で育った木々は家具用材とするのは常識外れかもしれない。けれども木の命を余すところなく使い、その地域にしかない世界にひとつだけの家具を誕生させよう!地元の木を大切にし愛し続けよう!この思いを胸にチャレンジを重ねた一大プロジェクトが多くの賛同者の手で遂に大団円を迎えます。サービス付き高齢者住宅が無事竣工を迎えたのは、鹿島建設山田さんから打診があったあの日から丁度2年後の2016年2月のことでした。
「人生の大先輩であるご高齢の方々にふさわしい“しつらえ”で暮らして頂けることがとても嬉しい」NTT都市開発大学さんの言葉がプロジェクトに関わった者すべての気持ちを代弁してくれています。

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