地球体験スペース「丸の内・触れる地球ミュージアム」とコラボレーション

伊勢志摩サミットやミラノ博・日本館にも展示された世界初のライブ地球儀「触れる地球」5台を駆使して、宇宙からみたリアルタイムの地球の姿、渡り鳥やクジラなど生物の移動、地震や津波などの自然災害、地球温暖化の未来予測、世界の食糧問題などをいきいきと描き出します。

「食と農」は、私たちの暮らしに直結する等身大の問題でありながら、気候変動や人口問題、グローバル経済など「地球目線」で考えることが不可欠の人類的な課題として、私たちが特に光をあてたいテーマです。

たとえばシリアの難民問題や「アラブの春」などの動乱も、実は背景に中東やロシア、アメリカ等の干ばつによる水や食糧の不足があり、その遠因には北極など地球温暖化があるといわれます。食糧自給率4割(コメ以外の主要穀物は1割)の日本、毎日”地球を食べ”、世界の食糧や水に大きく依存している私たちにとって、これは決して対岸の火事ではないはずです。

本展では、こうした世界の現状と未来予測を5台の「触れる地球」で可視化しつつ、その併設展示(Bゾーン)で世界の「食と農」が抱える課題、そのソリューションとなりうる日本の食と農の豊かさ、日本が抱える課題とその解決の方向性を、4期のテーマに分けて探ります。(特別協賛・展示共同企画;JA全農)

触れる地球ミュージアム 第1期 「海・森・生物多様性」; テーマ<水田里山〜地球と共生する農の知恵>

「水が豊かな国・日本」「美しい田園風景」は、決して天与のものではありません。荒ぶる自然に適応しながら、人の手を加えることでさらに国土の自然資本価値を高めてきた、日本の「農」の営みに光をあてます。
生物多様性など「水田・里山」が担保する多面的な機能、水を治めるノウハウなど、日本各地に息づく知恵があります。日本の農の風景の再発見を通じて、地球的な課題解決へのヒントを探ります。


第2期 「防災・減災・レジリエンス」; テーマ<災いと恵み>

日本の急峻な地形で、水田は天然のダム(治水・保水装置)として重要な役割を果たしてきました。その知恵はいま、水田の洪水緩和機能をさらに増進させる「田んぼダム」などの形で継承されています。熊本地震や常態化する大水害、猛暑など、自然災害や気候変動への適応が迫られるなか、「防災・減災」という視点から日本の食と農の価値を再評価します。(一部、第1期と共通の展示あり)


第3期 都市の未来

地球環境の持続可能性とともに、人間のサステナビリティも危機に瀕しています。NHKクローズアップ現代でも取り上げられたように、丸の内で働く女性1000人を調査した「丸の内保健室」によれば、その3割が食生活や健康状態に問題を抱えているとのこと。食と農を軽視した社会のあり方が、2030年の日本と日本人の根底を脅かす−−世界の「日本食ブーム」とは裏腹の、私たちの足元に広がる危機について考えます。(協力「丸の内保健室」)


第4期 「地球食」のデザイン

2050年に90億を超える人類を、地球環境負荷を減らしつつどう養っていけるか?肥満が20億人を超える現在、”人を良くする”と書くはずの「食」が、人の心身の健康を養うものに再生するには何が必要か?
また、そうした本来の食と農を保全するような社会設計、コミュニティのあり方とは?日本の食と農のOSが、21世紀の「地球食」(=宇宙船地球号の食)の再設計にどう貢献しうるか?


竹村 真一先生プロフィール
竹村真一先生 1959年生まれ。京都造形芸術大学教授。Earth Literacy Program代表。東京大学大学院文化人類学博士課程修了。地球時代の新たな「人間学」を提起しつつ、ITを駆使した地球環境問題への独自な取組みを進める。
世界初のデジタル地球儀「触れる地球」(05年グッドデザイン賞・金賞、中型普及版は2013年キッズデザイン最優秀賞・内閣総理大臣賞を受賞)や「100万人のキャンドルナイト」、「Water」展(07年)などを企画・制作。2014年2月、丸の内に「触れる地球ミュージアム」を開設。環境セミナー「地球大学」も丸の内で主宰。Jwaveのナビゲーターもつとめる。
東日本大震災後、政府の「復興構想会議」検討部会専門委員に就任。また国連UNISDR(国連防災機構)より「国連防災白書2013」のコンセプトデザイン・ディレクターに指名される。
著書に「地球の目線」(PHP新書)、「Water」(ワールドフォトプレス)、「宇宙樹」「22世紀のグランドデザイン」(慶応大学出版会)、「地球大学講義録」(日経新聞社)、「地球を聴く」(坂本龍一氏との対談;日経新聞社刊)など。「宇宙樹」は高校の国語の教科書にも採録されている。