スギ×復興で未来をつくる

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東日本大震災後、ワイス・ワイスでは被災地のためにできることを模索していたところ、宮城県栗原市にある製材所・栗駒木材株式会社の大場隆博さんと出会った。

「被災地では今、復興関連の建設事業などが盛んですが、ひと段落したら仕事がなくなってしまうのです」。近い将来起こり得る事態に危機感を募らせていた大場さんの思いに共感し、被災地の人々を雇用し支え続ける仕組みを目指すことになった。

以前からスギ材の活用方法を研究していたデザイナーの榎本文夫さんも加わり、宮城県に豊富にあるスギ材を使い、製材所の職人たちが何十年も慣れ親しんできた経験を活かした椅子やテーブルを考案。

柔らかく、家具に加工しづらいスギ材の弱点を克服するために強度試験を繰り返しながら試作を続けた。こうしてスギの繊維を交差させるように積層し、背柱と脚と座枠を一体化させる工法を開発。JIS規格の3倍の強度があり、製材所での製作を可能にする椅子が完成した。

精密な加工が可能な機械でつくられた椅子のパーツ背柱、座面、脚を一体化させることにより、強度をもたせた。栗駒木材では50人ほどが働き、製材、パルプ・ペレット製造などに関わっている椅子の座面と脚を組み立てる作業。

自ら森を所有する大場さんは、経済も森も循環する健全な山にすることを目指して森づくりも行っている。
先人たちが植えたスギを上手に活用しながら、将来的には樹齢の異なる広葉樹と針葉樹が共生する混交林にしていくつもりだ。
地球の未来、人々の豊かな暮らしを願って活動を続ける大場さんと、ワイス・ワイスは連携をとりながら森を活性化していく。

大場隆博さんが活動するエコラの森。森林の保全と育成を行っている。エコラの森で下草刈りをする4頭の牛栗駒木材の敷地内に積み上げられたナラ、サクラ、カバなどの広葉樹。

【キャプション】(左上から)
1.精密な加工が可能な機械でつくられた椅子のパーツ。
2.背柱、座面、脚を一体化させることにより、強度をもたせた。
3.栗駒木材では50人ほどが働き、製材、パルプ・ペレット製造などに関わっている。
4. 椅子の座面と脚を組み立てる作業。
5. 大場隆博さんが活動するエコラの森。森林の保全と育成を行っている。
6. エコラの森で下草刈りをする4頭の牛。
7. 栗駒木材の敷地内に積み上げられたナラ、サクラ、カバなどの広葉樹。


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宮城県産の杉で作った家具 KURIKOMA(クリコマ)