どんぐり村の椅子づくり

宮崎県諸塚村

宮崎県の北部に位置し、宮崎市からも車を数時間走らせてやっとたどり着ける人口約1800人の諸塚村。

その村の95%は山間地が占め、農業を営むのが難しかったため昔から林業が盛んに行われている。世界が認める森づくりをしようと、2003年にはFSC(森林管理協議会)の森林認証を取得。自治体と林業家が一体となって村ぐるみで取り組み、持続可能な林業経営を行っている。

この村は、原木椎茸栽培発祥の地。原木に使われるクヌギ、コナラなどの里山広葉樹が村の林地の3割を占め、秋になるとその果実であるどんぐりを実らせるどんぐり村だ。椎茸栽培では植えつけた菌が全体に行き届くよう、原木の上下、裏表を返す作業を人力で行う。そのため、原木の直径が20㎝以上になると重すぎて規格外となり、流通価格も半分に。大きくなり過ぎた木はそのまま放置され、新たに植林することができず、森の循環をストップさせている。

諸塚どんぐり材活用プロジェクト

そこで規格外のクヌギ、コナラを活用して椎茸生産に還元していく「諸塚どんぐり材活用プロジェクト」が2010年の夏にスタート。ワイス・ワイスは諸塚村役場、環境活動を展開する国際環境NGO『FoE Japan』と一緒に家具づくりを行うことになった。現地を何度も訪れて林業や椎茸栽培の現場を視察し、村の歴史やそこで暮らす人々の思いを肌で感じた。家具が完成するには、林家、林業者、製材所、木工所、デザイナーなどさまざまな人の協力が必要である。それぞれと信頼関係を築きながら、3年の歳月をかけてどんぐり材の家具を完成させた。

諸塚どんぐり材活用プロジェクト

【キャプション】(上から左下へ)
1.宮崎県・諸塚村には、森と共に生きてきた歴史がある。
2.大きくなり過ぎてシイタケ原木には不適合なクヌギ。
3.今回のプロジェクトメンバーの役場職員、シイタケ農家、家具職人、デザイナーの小泉誠さん。
4.静寂が広がる冬のクヌギの森。秋にはドングリを実らせる。
5.家具を製作する株式会社クワハタ(三股町)で最年長の職人さん。
6.小泉さんの図面とノート。
7.クヌギのほだ木が並ぶ農場で、肉厚のシイタケが育っていた。


▼諸塚村のどんぐり材から生まれた家具

どんぐり材の家具