北海道の森を再生する椅子

北海道芦別市

北海道ではかつて、木部の白さを生かして割り箸やアイスクリームのスティックとして、また工芸品として使われてきたが、今ではその生産が海外へと移り、国内のシラカバが成長してもパルプ材になるしか使い道がなくなってしまった。
間伐してもその場に放置されて害虫や野ネズミが発生したり、腐敗する過程で二酸化炭素が放出されたり、また倒木によって周りの木を傷つけるなど、さまざまな問題を引き起こしている。

間伐材を使った椅子づくり

北海道芦別市にある1936年創業の滝澤ベニヤ株式会社は、数年前から厳しい状況に置かれたシラカバに注目し、間伐材を利用した「ECOシラ合板」を開発した。

「山の所有者がお金を手にして適切に木を育てられるよう、シラカバを有効活用してさらに付加価値をつけることが大切です」と同社の滝澤貴弘さん。

ウッドマイレージを低減するため、外材から国産材への切り替えを進めてきたワイス・ワイスは、合板製作のノウハウをもつ滝澤ベニヤ、山形にある家具工場・株式会社朝日相扶製作所と共同で、シラカバ材で成型合板家具を生産する方法を探り、1年をかけて完成させた。

機械で厚さ1.5mmのシート状にした単板を数十枚貼り合わせてから、高度な技術で加工する合板家具。資源を無駄にしたくないという思いから、細い間伐材をシート状にする機械に人の手で何度もセットしたり、節の部分に埋木をしたりと、質の高い製品にするための手間を惜しまない。シラカバを軸に、身近な山の環境やそこに関わる人の暮らしを考えたものづくりが行われている。

間伐材を使った椅子づくり

【キャプション】(上から左下へ)
1.北海道では使い道を失ったシラカバが倒木するなど、問題を引き起こしている。
2.滝澤ベニアではシラカバを煮沸して柔らかくした後、機械で皮をむく。
3.品質向上のため、節などがないか1枚ずつ確認を行う。
4.朝日相扶製作所ではシート状にしたシラカバの単板を重ねて成形する。
5.カットしたシラカバを手で一枚ずつ乾燥機に入れる。
6.機械にセットしたシラカバが次々と桂むきされていく。