手しごとを伝える家具

旭川市

家具の産地として知られる北海道旭川市。
ここで1942年に創業した山岡木材工業株式会社は、製材から家具などの完成品まで手がける、日本でも珍しい会社だ。
ナラ、イタヤカエデ、雑カバなどの北海道産材を中心に、違法伐採ではない合法性が証明された木材だけを扱う。無秩序な違法伐採ではなく持続可能な森林経営を行うことで、地球環境、森林環境を守ることができるという信念があるからだ。

同社の敷地内には丸太から製材した材料が3か月から半年ほど置かれている。
湿度が低い北海道ならではの気候が自然に乾燥を促し、最終工程で人工乾燥を行って含水率を8%ほどにする。乾燥の際には紙チップにもならない木端や皮を燃料にし、重油などは一切使用しない。

山岡木材工業の手しごと

加工の準備が整った木材は、製材所のすぐ隣にある家具を製作する工房へと運ばれる。その2階には、れまでに数百種類と製作してきた椅子の型が所狭しと並び、ものづくりを重ねてきた歴史を物語っている。

家具の製作で大切なのは、“木を読む”こと。
完成されたときの木目の美しさ、節の位置などを頭の中に描きながら、木のいのちを無駄にすることなく部材を取るにはどうしたらよいかを、職人たちは長年の経験で見極めていく。ここでつくられるワイス・ワイスの「AKI」には17個の部材が必要となる。部材を削り出し、部材をつなぐための加工を施し、なめらかな表面にするために磨き上げる。言葉にすると簡単だが、1本の脚にしても微妙な角度や細かな加工が施されているため、繊細な作業が続く。

さらに部材を合わせた面の手触りにこだわり、「さすり仕上げ」も行われている。シンプルでありながら、職人技が凝縮されている椅子なのである。

山岡木材工業の手しごと

【キャプション】(左上から)
1.治具を当てながら、部材を削り出す。
2.歴史を感じる創業70年の山岡木材。昭和40年代までは特殊技術を要するボウリングのピンを製造。
3.工房に広げられたAKIの図面。職人は図面から微妙なニュアンスをくみ取る。
4.部材に合わせる治具も職人の手づくり。
5.手作業でさすり仕上げを行い、接合部をなめらかにする。
6.工房の2階に並べられたこれまでの商品の部材。