目を覆いたくなるショックな光景。
数ある家具メーカーの中で、ワイス・ワイスほど林業地を訪れているメーカーはない。そう自負しています。私たちが初めて森へ入ったのは2008年、最初の地は岩手県岩泉町でした。岩泉町は日本では比較的早い時期にFSC®森林認証を取得し、サスティナブルな森づくりに取り組む町。この岩泉の森を案内してくれたのが岩泉町役場の今村篤さん。
そこで目の当たりにしたのは、育った広葉樹がパルプチップになっていく光景でした。この目を覆いたくなるほどのショックな光景こそが、ワイス・ワイスが国産材を使って家具づくりをすると覚悟を決めたきっかけです。
※FSC®森林管理認証について
FSC®とは、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な非営利団体。FSC®森林管理認証は、森林を責任ある持続可能な方法で管理していると認められたもののみが取得できます。
木も、椅子も、新しく生まれ変わる。
実はAKIは、1999年に既に誕生しています。2009年にフェアウッド宣言をし、AKIに使う木材をまずは海外のフェアウッドに切り替えました。本当ならば国産材に切り替えて新生AKIを作りたかったのですが、この頃はまだ「家具には輸入材」、これが業界の常識で、あらゆる家具工場に断られ続けていたのです。
それでも探し続け、ようやく出会ったのが国産の広葉樹を安定的に供給してくれる製材所、田鉄産業(有)の田口宗平・宗弘親子でした。輸入材は扱わず、国産広葉樹専門の製材を生業として貫いてきたお二人には本気になって背中を押していただき、国産材についても多くを教えていただきました。更に、最高峰の木工技術を凝縮したAKIシリーズの製作を引き受けてくれたのは、北海道旭川市にある山岡木材工業(株)。ようやく国産材を使ったAKIが2011年に誕生。今では北東北のクリの木、北海道のナラの木を使って様々なデザインで展開しています。