置き去りにされた諸塚の広葉樹林。
全国の品評会で何度も優秀な成績を収めている宮崎県諸塚村の原木椎茸。樹齢20年近くに育ったどんぐりの木(クヌギやコナラ)を山から伐り出し、その原木に植菌し、二夏過ぎる頃まで人の手でこまめに椎茸菌の世話をする。手間のかかる原木椎茸の栽培も、年を追うごとに後継者不足に直面、さらには椎茸価格の低迷も重なり、本来は適正な時期の伐採と植林による更新が必要などんぐりの森では、新たな植林が行われないところが増えていきました。椎茸産業と共に森が育ち、森から新たな恵みをいただく。そんな自然を活かす好循環の森が置き去りにされつつありました。
「諸塚村どんぐり材プロジェクト」始動。
この状況をどうにかしたい、大きく育ち過ぎたどんぐりの木を有効に活用したい。そんな相談があったのは2009年の夏。通称「どんぐりプロジェクト」は、国際環境NGO・FoE Japanからワイス・ワイスにかかってきた一本の電話がきっかけで動き出しました。
諸塚村は、とても先進的な村だった。
九州山地の中央に位置する諸塚村。林野率95%のこの地域は、明治期の1907年に「林業立村」を宣言、村民総出で森を育てて暮らしてきました。そして2004年、自治体ぐるみとしては日本初となる、FSC®森林管理認証を取得※。諸塚村は、村民の小さな子どもからお年寄りまで皆がFSC®について語ることができる、まさにSDGsを実践している村だったのです。連絡がきた2009年はちょうどワイス・ワイスがフェアウッド、国産材での家具製造へシフトした時期。互いの熱い思いが重なり合い、プロジェクトが本格的にスタートすることになりました。
※FSC®森林管理認証について
FSC®とは、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な非営利団体。FSC®森林管理認証は、森林を責任ある持続可能な方法で管理していると認められたもののみが取得できます。 (「MOROTSUKA」はFSC®認証商品です。)