case study

小田原の一本のケヤキから生まれたこのテーブルをきっかけに、
「地域の木を使って保育園を作った」というお客様もいました。

こういうことこそが、パタゴニアが社会に与えたい“インパクト”なのです。

1973年創業。アウトドアスポーツ用品の製造販売を手がけるアメリカのメーカー。2018年12月にはミッションステートメントを「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」に変えた。責任あるビジネスに向けて全力で進む企業の先駆け。

Request

「近隣への贈り物」となるストアをつくりたかった。

パタゴニア日本支社 – Brand Responsibility Manager
篠 健司 Shino Kenji

NOW MORE THAN EVER(これまでよりもっとコミュニティと繋がる場所へ)。

パタゴニアにとってストアは、「近隣への贈り物」。ストアがある地域の歴史や文化、景観を尊重し、ストアごとにしっかりと個性を持たせ、『この地域に、パタゴニアがあってよかった』と地元の方々に心から思っていただけるストアづくりを私たちは目指しています。今回、リニューアルのタイミングが来た日本のストアに関しては「NOW MORE THAN EVER」というコンセプトを掲げました。これまでもパタゴニアは、ストアづくりにおいて、独自の建築の理念に沿って竹材や古材、認証材などを徹底して使用してきましたが、これまで以上にパタゴニアが「近隣への贈り物」になれるように、可能な限りその地域の自然の材料や古材を使用してリニューアルを実行。横浜・関内ストアを皮切りにこのリニューアルプロジェクトがスタートしました。

全国の森と「繋がり」を築いているワイス・ワイスに内装用木材の調達を依頼。

ワイス・ワイスへ依頼した最大の理由は、家具づくり・空間づくりのプロフェッショナルであると同時に、日本全国に木材調達ネットワークを独自に築いているということ。地域の現場を何よりも大切にするその方法は、海外の森林破壊を抑制し、劣化した日本の木材産地と直接対話することで、国産材の持つ価値を高め森林文化を繋ぐことに献身する。ワイス・ワイスは、プロジェクトが始まる前から、パタゴニア日本支社が求めていた最適な調達パートナーだと感じていました。

WORN WEAR
穴が空いたらリペアする。ついに選択肢がなくなったらリサイクルする。パタゴニアが2017年から始めた「消費を抑え、既に持っているものを長く大切に使う」ためのプロジェクト。
1% FOR THE PLANET
2001年にパタゴニアの創設者らが設立した非営利団体。世界中の5500社以上からなるネットワーク組織で、売上の1%以上を承認された環境保護団体に寄付している。

solution

地域を丁寧に回り、地域の人と繋がることで、理想の木に出会う。
すべては、パタゴニアの思いを実現するために。

WISE・WISE 法人営業部
野村 由多加 Nomura Yutaka

あらゆる方面に働きかけ情報収集、地域の森へと足を運ぶ日々。

全国に及ぶワイス・ワイスの木材調達のネットワークは、まさに一つひとつのプロジェクトと共に地道に築きあげてきたもの。例えばパタゴニアのリニューアル第1号店「横浜・関内ストア」がある神奈川地域は、当時はまだワイス・ワイスにとって未開拓の地域でした。そういった場合は、まさにゼロからのスタート。まずは行政、民間問わず、あらゆる方面に働きかけ、情報収集を徹底的に行い、求める木材が存在する地域を絞っていく。その後は、自らの足を使って産地や木材市場に直接訪問し、各地のパタゴニアストアのニーズに合った木材を丁寧に探し続ける。理想の木、理想の木材の厚さ、理想の乾燥状態、これらの条件を揃えるまでに、長い時は数ヶ月かかることもありました。

木だけではなく、パタゴニアがどこの誰と繋がるべきか、ということが重要。

無論、「地域の木」であればなんでもいいわけではありません。理想の木が見つかったとしても、簡単には決めにかからない。その木が存在する地域の歴史的背景や、その木を大切に育て活用している地域の人たちの人柄や姿勢が、パタゴニアというブランドのアイデンティティとしっかりとリンクしているか、パタゴニアが今後も関係性を継続していけるかどうかもしっかりと検討する。私たちが自分たちの足で地域を回り、「地域の人と繋がる意味」はそこにあります。各地域のパタゴニアのストアが、その地域と融合したストーリーを語り紡いでいくことができるように、真の「近隣への贈り物」となれるように、木材調達と関係づくりを実行しました。

voice

リサーチ力、提案力、そして何より情熱に感謝したい。

パタゴニア日本支社 – Brand Responsibility Manager
篠 健司 Shino Kenji

新たな供給先が見つかることを楽しんでいるように見えた。

木材供給先の開拓がゼロからのスタートの際も、文字通り靴底を減らしながら、産地や木材市場に何度も足を運び、それぞれの地域のストアニーズに合った木材を探し当ててくれました。私たちの度重なる「こだわり」にも、それを上回る「こだわり」で返してくれる、それらのリサーチ力、提案力、そして何よりも情熱に感謝しています。理想の供給先と出会うということは、並々ならぬ時間と労力がかかるものですが、なんだか私たちには新たな供給先が見つかることを楽しんでいるように見えました。同じ「草の根」のスピリットを持つパタゴニアとして、改めて共感を抱いた瞬間でした。

ひとつのテーブルから、様々なストーリーが生まれています。

テーブルに使われている木、その木に関わる人の思いも、パタゴニアはストアづくりに反映し、そしてその思いを、大切なストーリーとしてお客様に誇りを持って語り紡いでいきます。つまりは、製品だけではなく、ストアも、ストア内にあるテーブルやチェアも「パタゴニア」そのものだということです。 例えば横浜・関内ストアのコミュニケーションテーブル。小田原産の一本のケヤキの木から生まれたこのテーブルでは、いろんなお客様とのやりとりが生まれています。「僕も同じ小田原出身なんです!」そんなさりげない会話や「私たちも地域の木を使って保育園をつくります」と、このテーブルのストーリーをきっかけに思いを深め広げていく会話など、じつに様々。小田原や箱根の木をふんだんに使ったこの保育園は実際に神奈川県内に完成し、子どもたちと先生たちとの間で、地元の森の話をする姿も生まれていると聞いています。こういった2次的、3次的波及こそが、まさにパタゴニアのミッションに繋がること。これは、パタゴニア製品や環境活動と同じように、心強いパートナーがいてこそだと改めて感じています。

全国を7つのエリアに分けて木材の供給体制を整える。

スターバックスの事例

素材も伝統技術もすべて「オール広島」で、ドリーム・アーツの理想の空間をつくりあげる。

ドリーム・アーツの事例

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「自然と人」「人と人」の関係を丁寧に築いていくこと。
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