木 針葉樹と広葉樹、それぞれが織り成す世界を受け止める。

針 針のような葉が多くの光を求め、天に向かって真っ直ぐ伸びる。

広 伐採した後にひこばえを生やし、いのちをつなぐ生命の力強さ。

木の個性を見極めて使う。人も森も幸せな時間を過ごす。

マツ、スギ、ヒノキなど地球上に約540種あると言われている針葉樹。カラマツは落葉するが一般的には常緑で、亜寒帯から温帯に分布する。その名のとおり葉が針のように細く、少しでも多くの光を浴びようと真っ直ぐに伸びる性質がある。マツはやせた土地でも育ち、塩や風にも強いために、昔から防風林、防砂林に利用されてきたが、やにを多く含むので加工するのに手間がかかる。

それに対してスギやヒノキは、その真っ直ぐに生長する性質から角材にも板材にも加工しやすく、建築用材として使われている。スギは真っ直ぐ伸びる「直く木」が、ヒノキは古代に擦り合わせて火を起こした「火の木」が語源とされる有史以前から存在する樹木で、その歴史は意外と長い。

戦後、日本全国に植林され、生長を遂げた針葉樹が暮らしに役立つものに生まれ変わる準備をしている。しかし費用を工面できずに間伐できない木、間伐できても運び出せずにそのまま放置されている木があり、このままでは森が荒れ、豊かさを失ってしまう。そこで国内の合板メーカーは、東南アジアの熱帯材を輸入して製造していたが、徐々に国内産針葉樹に切り替え、利用し始めている。ワイス・ワイスでは、被災地でより多くの仕事をつくり、長きにわたって復興を支援できたらと、スギ材での椅子づくりを宮城県から始める。デザインの力と工夫でスギに価値が生まれ、人や森を潤すことを願っている。

針葉樹に対して広葉樹は20万種もあり、温帯に分布するものは落葉し、暖帯から熱帯に分布するものは常緑である。広葉樹は葉を広げて太陽の光を浴びようとするため、横に広がって空間を必要とし、幹や枝が必ずしも真っ直ぐに伸びるとは限らない。しかしながら広葉樹のよさはその硬さにあり、昔から家具に使われてきた。針葉樹にはない水分だけを通す導管があることからもわかるように、広葉樹は進化を遂げて細胞の構成が複雑である。よって木の色も材質もさまざまで、個性があるのが魅力的だ。ケヤキ、ナラ、サクラ、クルミ、チーク、メープル、キリなどが家具に好まれてきた。

広葉樹の場合、伐採した後に日がよく当たるようにきれいにしておくと、根株の脇から〝ひこばえ〟が生えて、次の世代の芽となる。生活に必要な分だけ伐って山を順々に移動していくと、元の山に戻るころにはひこばえだった幼木が生長している。昔の人たちは、山の資源を使い果たすことなく、使い続ける知恵を知っていた。

「100年育てた木は、100年使え」
という教えもある。丈夫な広葉樹で丁寧につくられた家具を、何世代にもわたって大事に使う。そして新しい家具を必要とするころには、木が大きく育って家具にできる準備ができている。循環する世界がここにはある。